【実践事例】“問い合わせ地獄”と“リピート不振”を仕組みで解決

― 食品通販ECが月300件の問い合わせを80件に。継続率も2倍超へ


目次

◆ はじめに

今回ご紹介するのは、東京都内で無添加食品やオーガニック商材を扱う食品通販事業者様です。
自社ECサイトを中心に販路を広げ、定期購入モデルを導入したばかりのタイミングで、F6 Designにご相談をいただきました。

当初抱えていたのは、

  • 顧客対応が追いつかない
  • リピート購入が定着しない
  • 社内の情報共有が混乱している

という3重苦とも言える構造課題
私たちは、「1人の頑張り」ではなく、「全員が楽になる仕組み」づくりを軸に、支援をスタートしました。


◆ クライアントが抱えていた課題

ヒアリングとアクセスログ分析、社内メンバーへのインタビューを重ねて見えてきたのは、**事業成長の足を引っ張る“ボトルネックの可視化不足”**でした。


① 問い合わせ数が月300件以上、対応が業務の大半に

  • 購入後の使い方や配送に関する問い合わせが大量に発生
  • 担当者はほぼ1日中メール・電話対応で手一杯
  • 新商品の企画や改善に時間が取れず、“守り”の体制が固定化

② 商品のリピート率が低く、定期購入が続かない

  • 初回は売れるが、2ヶ月目以降の継続率は22%と低迷
  • お客様から「なんとなく辞めた」という声が多く、継続しない“理由”の把握が曖昧

③ 社内チャットツールが煩雑で、情報が流れて消える

  • 複数の無料チャットアプリやメールを併用
  • 「誰が何を見たか分からない」「前の話題が見つからない」など意思疎通に無駄が多発
  • 社内MTGは週3回以上開催されていたが、決まらない会議が多い

◆ F6 Designのアプローチ

課題を「業務設計」「顧客導線」「社内コミュニケーション」の3軸に分類し、“自走できる仕組み”を構築することに注力しました。


1|顧客問い合わせのカテゴリ分類とテンプレート化(FAQ整備)

  • 直近1ヶ月の問い合わせ300件を全件精査し、「内容別カテゴリ」と「発生タイミング」をデータ化
  • 上位3カテゴリ(配送関連/使い方/返品)に対してテンプレート返信とFAQページを整備
  • Webサイト内の商品ページにもFAQリンクを直接配置し、事前防止にも着手

結果、「そもそも問い合わせる必要がない」状態を作ることができました。


2|リピート顧客の行動分析→ステップメールを刷新

  • 解約者の購買履歴・利用頻度・問い合わせ傾向を分析し、「初回体験で離脱する典型パターン」を特定
  • これをもとに、「使い方サポート」「アレンジレシピ紹介」「購入者インタビュー」など5本のステップメールを再構築
  • メール開封・クリック率もKPIとして追い、最も反応の高い時間帯・内容に最適化

結果、自然なリテンションが発生し、定期継続率は3ヶ月で47%へ向上しました。


3|社内ツールの統一と業務フローのマニュアル化支援

  • チャットツールをSlackに統一。#配送 #CS #商品開発などチャンネルを目的別に整備
  • 週次会議のアジェンダ・議事録テンプレートを作成し、会議の目的・結論・担当を明確化
  • 顧客対応・出荷業務などのルーチンを社内wikiで標準化し、新人教育も効率化

結果、週3回だった社内MTGは週1回に集約され、「会議のための会議」が激減。現場からは「やっと時間が生まれた」との声が多数あがりました。


◆ 得られた成果

支援から3ヶ月で、下記のような**“数字としての成果”と“現場体感の変化”**が同時に得られました。


✅ 問い合わせ件数:月300件 → 月80件(約73%減)

  • 回答の自動化・FAQ整備で、業務時間が1日4時間以上削減
  • お客様からも「サイトが分かりやすくなった」と評価され、CS向上にも貢献

✅ 定期購入継続率:22% → 47%(3ヶ月後)

  • 商品の魅力ではなく、「使い続ける理由の設計」がカギ
  • メール配信のタイミング調整も奏功し、解約タイミングを乗り越える設計に成功

✅ 社内MTG回数:週3回 → 週1回

  • コミュニケーションコストの削減により、企画・改善に注力できる時間が倍増
  • Slack導入で「言った言わない」「探せない」からの解放

◆ クライアントの声

「“自分たちで考えて、自分たちで回せるようになった”というのが最大の成果です。」
(事業責任者)

「お問い合わせ対応が減っただけで、商品企画も広報も一気に前に進むようになりました。」
(CSリーダー)


◆ まとめ

この事例は、「売れない」「時間がない」「共有できない」というEC事業者にありがちな課題を、“業務・顧客・組織”の三位一体で可視化・再設計した成功例です。

F6 Designでは、貴社の課題に応じた**“自走できる仕組みづくり”**を、実務レベルで支援いたします。

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